制作チーフ 照井渚彩 インタビュー
- 21lastplay
- 2021年3月23日
- 読了時間: 7分
聞き手:夏樹役 春楓
ー名前、学年、役職を教えてください!
照井:照井渚彩です。ID21の4年生で制作をしています。よろしくお願いします。
ーお願いします。照井さんが制作を始めたきっかけはなんですか?
照井:えーといつだっけ…1番最初のきっかけはICU歌劇団18卒業公演の制作のインターンの制度でちょっとだけ顔を出させてもらったことですね。黄河砂で初めてやったのは『暁之夜』(2019年春公演)かな。
ーあれ?そんな最近でした?
照井:そうだと思う…コロナのせいで劇団界隈の記憶が消えてるから(笑)。正式に制作を初めてやったのは歌劇の22デビュー公演。
ー意外すぎる。毎公演制作をやってる勢いなのかと思ってました。
照井:やってないやってない(笑)。経験はそんなにないんだよ。
ーそうなのかー。制作以外のスタッフは?
照井:ヘアメ(ヘアメイク)くらいじゃない?制作以外の役職ができないんですよ私。
ーいやいやそんなことないですよ。ヘアメと制作できるなら充分ですって!
では簡単に制作のお仕事内容について教えてください。
照井:舞台に直接関わらない部分のほとんどを担うのが制作だと思っておりまして。具体的に言うと、1番大事なお仕事はお金の管理です。みんなから参加費を集めて、予算を各部署に分配し、運用してもらう、私がそれを管理する!という仕事。あとは劇場で公演をする場合は、チケットの管理をしたり、お客様が快適に見てもらえるように劇場内のことを管理したりとか。あとなんかあったっけ…(笑)。
ー対外的な広報とか?
照井:そうそう!それをやります!広報に関する仕事ではSNS・ポスター・ビラの管理をしていて。SNSは広報さんと連携をして行うことが多いです。制作は世に宣伝物の中身が出る前に内容のチェックをしたりとか、審査機関のようなイメージです。ポスターとかビラも同じように文字情報をチェックしたり、締め切りを管理したりしています。
ー照井さんが思う制作の醍醐味・やりがいは?
照井:どの部署でも言えることではありますが、個人的には制作が回っていないと公演全体が滞ると思っていて。みんなが輝くためには目立たないところで仕事を安定的に回すことがすごく大切だと思っています。その土台を築くことができるのはやっぱり制作だなと思っているし、そこにやりがいを感じています。

歌劇団で一緒にキャストをする小里加(美和子役、左)と照井(右)
ー今回のプロダクション限定で、仕事内容が変わったりオンラインになったり普段と形態が全然違うと思いますが、全部ひっくるめてどうですか?
照井:振りが雑やな(笑)。どうですかと言われたらまあ寂しいかな。制作さんは元々プロダクション内でもみんなと関わりを持つ機会が少なめの部署ではあるので。制作さんは小屋入り(ホールを貸し切って準備する期間)中いつも楽屋(小屋入りの際に作られるキャスト・スタッフの待機場所)にいたりするので、毎度小屋入りをするたびにそこを通じて仲良くなったりするのですが、今回は最後まで会わない人がいる可能性があったりしてちょっと寂しかったりはします。その分ネット上でみんなの写真・動画をみたりして癒しを得て、仕事のモチベーションにしております。
ー今回の作品は演劇についてなので、お聞きしたいのですが、照井さんが演劇に関わろうと思った理由はなんですか?
照井:私は元々小学校の時にミュージカルの劇団に入っていて。中高で別の部活に入ってしまったので、もう1回ミュージカルやりたいなと思って大学で歌劇団に入りました。黄河砂とか劇団虹(ICUの宅配ミュージカル劇団。ボランティア活動を多く行っている)とかもそうだけど、人がとにかくよくて、みんなともっと仲良くなりたいなって思って続けてます。ストプレ(ストレートプレイ。歌やダンスのないセリフ中心の劇)はやったことがなかったけどストプレの楽しさにもだんだん目覚めて。こうして豊かな大学生活を送ることができております。
ー照井さんはストプレ出てないですよね?
照井:キャストでは出てないかな。色々潰れた公演はあったりするので(笑)。やる予定はあったんですけどね、ちょっと残念です……。
ー今後もしまた演劇をやることがあったら、どんなジャンルの劇に参加してみたいか教えてください!
照井:さっきも言ったけど、ストプレに出たことがないので、ストプレのキャストをめっちゃやってみたーいってずっと思っています。質問の意図とは違うけど、もし今何でも叶えてあげるって言われたら、最後にオーディの舞台に立って終わりたかったという悔しさはあります。
ーどの役職をやりたいとかこんな役やってみたいとかありますか?
照井:役職はもう私制作でいいなって感じ。普通に楽しいです。制作。
役は…えーわかんない(笑)!私は毎度キャスティングされるたびに演出の人が私にどんな役を振ってくるのかっていうのを楽しみにしてるので。結構私はキャスティングされる時に希望を伝えないことが多くて。びっくり箱を開ける気持ちでキャスティングを待つ、っていうのをやりたいです。
ーなるほど、いいですね。今までの黄河砂での思い出や印象深い公演を教えてください。
照井:なんだろうね…でもやっぱりデビュー公演じゃないかな。1番思い入れがあるのは21デビュー公演。本格的に小屋入りを経験したのは歌劇より先の黄河砂21デビューで、それがすごい楽しくって。前の学期に歌劇のデビュー公演をやったんだけどそれは教室公演だったので。小屋入りでみんなとすごく仲良くなる感覚とか、みんながずっと同じ場所にいて作業をしている心地よさっていうのは全然知らなかったので、そういう小屋入りひとつひとつの場面が新鮮で。それはすごい思い出深いな。
ー今回のテーマの一つとして繋がっていく、というのがありますが、ここで後輩へのメッセージをお願いします!
照井:やっぱりこういう時代を挟んでしまったので、小屋入りしてホールで公演を打つっていうのはこの先の世代はどんどん難しくなってしまうと思うんですけど…めんどくさい!とか難しいなっていうのを乗り越えたからこそ得られる喜びをコロナ禍で失ってる気がするので、そういうちょっとめんどくさいことに挑戦するっていう感覚をもう1回後輩のみんなに取り戻して欲しいなって気持ち。なので、わかんないことがあったらなんでも助けますし、ぜひICUの演劇界隈を盛り上げていってもらえたら嬉しいです!
ーコロナもあるけどオーディ(ホールのある建物)の改修工事もあるからすごいハードルが高くなってるよね。教室公演はまだ打てるかもしれないけど、小屋入りするのとはまた違うし…。
照井:その楽しさを知ってる人がいなくなってしまうのはすごい悲しいものがあるから…なんとかがんばって絶やさず繋いでくれ!
ー自分の仕事のこだわり・劇の見どころを教えてください!
照井:制作と劇はだいぶ切り離されるので…仕事のこだわりという面で言うと、何事もなく回すこと(笑)。みんなのお金を預かるから信頼感がないといけないと思うので、連絡を丁寧になるべく早くしたり、当たり前のことを当たり前にやるっていうことを!大事にしたいね。してるってことにします。
劇の見どころは、オーディだとどうしても同一の場所で物語が展開していくので、想像力に任されるところがあったりする。けど、今回は動画でいろんな場所で撮影をしているので、周りの空間の変化が一箇所でやる演劇よりも豊かになる。っていうところはある…それに伴ってキャストの演技も変わってきてるんじゃないかなって思うので、舞台よりもさらに生々しいリアリティを動画で楽しんでもらえたらなと思います。
ー最後に、意気込みと見てる人へのメッセージをお願いします!
照井:引き続き真面目に安定的にコツコツ仕事をこなすぞ!おー!
見てる人にメッセージは…演劇とか観づらい世の中になってしまったと思うんですが、我々もその中で一生懸命何かしら方法を見つけてがんばってはおりますので…色々元気を失ってしまった1年であったと思うので、これを見て元気をもらってほしいです!
ー高校生パワーをね。
照井:そう、若い力をもらって!エネルギーを充電していただきたいなと思います。
ありがとうございました!
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