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中林夢乃役 槇島 インタビュー

  • 21lastplay
  • 2021年3月6日
  • 読了時間: 8分

聞き手:夏樹役 春楓


ーではまず、名前、学年、役名を教えてください。


槇島:槇島です。学年は4年生で、役名は夢乃です。演劇は黄河砂で役をやるのは初めてだけど、大道具とかで関わってきました。


ー槇島さんが演劇に興味を持ったきっかけはなんですか。


槇島:演劇というよりも最初大道具に興味を持って。最初黄河砂の21デビュー公演を見て楽しそうだなって思って、18の卒業公演で初めて大道具として参加しました。そのあと、歌劇団で舞台美術兼大道具、たまに衣装とかをして演劇に関わってきました。元々ものづくりが好きで。1番最初に楽しいって思ったのは中学の図工だったかな。


ーキャストをやろうと思ったきっかけはありますか。1番最初は歌劇のキャストでしたよね。


槇島:1番最初に歌劇のキャストをやったのは、元々歌うのが好きだったのと、どこかでキャストをやってみたいという気持ちがずっとあったから。ここでなら最初の1歩としてできるかなって思って歌劇団の2018年度冬公演でやりたいって言いました。


ー槇島さんは歌がすごく上手だし好きそうなのでミュージカルに出ようってなったのはよくわかるんですけど、今回黄河砂でキャストをやろうって思ったのはどうしてですか?


槇島:黄河砂でキャストをやろうと思ったのは…こんなにも関わっていてキャストを一度もやってないんだな私、っていうのを思って。かつたからい(演出)が卒業公演やるらしい、やりたいなっていう感情で手を挙げた感じかな。


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歌劇団の公演でキャストデビューを果たした


ーキャストとスタッフ、やっててどちらが楽しいですか?


槇島:うーん…今回の公演形態として舞台に向かうっていうのが目標ではないじゃん?だからキャストなんだけど何回もカットをとったり、どこから映るのか考えたりしてると…うーん…どっちも楽しい!そもそも全然違うようなものだから、あんまり比べられないっていうのが本音です。


ー夢乃について聞いていきたいと思います。夢乃はどういう人ですか?


槇島:どういう人…(笑)。比較的しっかり者で、責任感はすごく強いと私は思っている。何かをやろうと思ったらそれに向かって努力もできるし、たまに突っ走っちゃうこともある気がするけど、それも彼女のいいところの一つかな。


ー夢乃と槇島さんと共感できる部分、もしくは違う部分はありますか?


槇島:違う点で言えば私はすごい怠惰な人間なので、夢乃ほどたぶん頑張れる素質がない気がします(笑)。共感できる点で言えば今回の話でも出てくるけど、周りの人が傷つくことを嫌うとかかなって思います。


ー夢乃もスタッフ寄りじゃないですか。出演もするけどスタッフもやるよ!みたいな。そういう意味ではスタッフもいっぱいやってきた槇島さんと重なるところもあるのかなって思うんですけどどうですか。


槇島:確かに…でもあそこまで万能じゃないわ(笑)。


ー槇島さんはお兄さんがいるんですよね。夢乃はお姉ちゃんに影響されて演劇の世界に興味を持った人じゃないですか。槇島さんはお兄ちゃんが何かをやってて、これに興味を持った、というのはありますか?


槇島:私は途中からお兄ちゃんとずっと学校が違ったから、半分一人っ子な気分だけど…(笑)。影響されたものは…ないね。各自色々やってた感じかな。お兄ちゃんは運動とかで。私もバスケやってたけど学校のサークルみたいな感じだったし。お兄ちゃんに影響されたとかっていうのはないかな。


ー夢乃を演じてる上で、演じやすいところ、演じにくいところはありますか?


槇島:みんな共通かなって思うのは回想が多い分、中学生にならなきゃいけなくて。中学生って10年前だから、その時のまっさらな感情が出てこないっていう。中学生にならなきゃ!って思うんだけど絶対に大人びてるし、すでに高校生の時点であまり高校生に見えてないから。


ー年齢の壁って大きいですよね。


槇島:そうね。これは夢乃を演じるにあたってじゃなくて演技するにあたってだけど、今回って本来ほどの時間をかけて公演を作れないわけじゃん。そういう時にどう見えてるのかがわからなくて。これは果たして合ってるのかどうかわからないってなるときはある。けど、たからい(演出)がOKを出すならそれに従う(笑)。


ーちゃんと演じられてますよ。


槇島:よかった。安心した(笑)。


ー今回は元々舞台でやるはずの作品が、映像と文字で展開されることになりましたね。映像作品は黄河砂ではやってこなかったことですが、やってみてどうでしたか?


槇島:私は結構楽しい。毎カットが映像に残ってる分、客観的に見やすい。私はありがたく感じてる。


ー撮った映像をその場で確認するのでいつもと違って即時フィードバックが多いですよね。そういう意味では普段舞台でやる時よりも客観的に自分の演技を見る機会は増えてますね。


槇島:ただ、みんな感じてると思うけど、舞台ではお話の最初から順にやっていくけど、映像では撮るときにお話が時系列順で進んでいかない分、やっぱり一貫性を持たせるのが難しいなと思っていて。今日は最初の部分と最後の部分両方撮るよってやると難しいなって。


ーですよね。最後のシーンから最初のシーン行くと、よそよそしくしなくちゃいけないの?!もうゴールしちゃった気分なんだけど!?ってなります。

槇島:わかる。春楓とオーディ(ホール)の客席で語るシーンを撮った後に、最初の「なっちゃん先生チキンラーメン」っていうシーン撮ったから。


ー今までの黄河砂での思い出について伺いたいと思います!特に思い出に残っているエピソードは何ですか?


槇島:やっぱり最初にして最強のイチョウの木(18卒業公演での大道具)を立てたことかな…パワーがあるよね、あのエピソードは。大道具で1番大変だったかなと個人的に思います。小屋入り(ホールを貸し切って準備する期間)してからも床の補修を毎日して。模造紙をちぎり絵みたいにしてイチョウの葉を表現してたんだけど、やっぱり人が歩くとはがれていくじゃん。それをぺたぺたボンドで貼っていったなっていうのが思い出深いかな。


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黃河砂18卒業公演の舞台機構


ーそもそも多目にあんな大きいもの(イチョウの木)をよく運び入れたよなって思います(笑)。


槇島:そもそもよく許されたよなとは思う、今更ながら。


ー舞台自体に色んな仕掛けがあったりして。それプラス木っていう。


槇島:面白かったなあ。あれが最初だから相当強烈だったな。

もう一つ楽しかったのは、22デビュー公演。その時は衣装だったから大道具は関係ないけど。そこで私はスカートの端処理しかやらなかったけど真っ赤なドレスと頑張って作った仮面もすごく楽しかったかな。アイコニックな衣装でぴたっと当てはまるのが好きだったかも。本当に可愛かった。その時の衣装チーフがさすがだった。


ーもしまた演劇に関われるとしたら、どういう役をやってみたいとか、どういう役職やってみたいですか?


槇島:キャストは未知すぎて…もう1回やってみたい気持ちはある。歌劇の時のキャストはアンサンブルをかけたから、演じるというよりは与えられたものをこなすっていうのが強くて。今回夢乃っていう1つのメインの役を持てたのが初めてで、こないだの歌劇と今回の黄河砂ですでに違う気がして。もう1回一貫した役をどこか歌劇でも黄河砂でもやってみたい。

今まで大道具をしてきて感じたのは、私はチーフより下っ端で作業するのが好きだなって。材料を調達するのが好きじゃない(笑)。作業してわーしょ(ICUでの作業場。ワークショップの略)で黙々と作業したい。大きい舞台装置を作りたい。


ーこんなジャンルの劇に関わってみたいってありますか?


槇島:個人的にミステリー、殺人事件とかが好きだから。ミステリー系をやれたら楽しいかな。


ー一貫した役をやるのは初めてという話がありましたがやってみてどうですか?

槇島:一ついうと、一貫した役の方がやりやすい気がする。同じ人間が違う役をやるのってある程度うまくないとできないなって思って。アンサンブルやってるときに、果たしてこれは違う人間として捉えられてるかどうかがわからなくなって、いっぱいいっぱいになってたところがあった。今回は1回夢乃として登場しさえすればずっと夢乃として見てもらえるから。それは気楽でいられる。


ーぜひ一貫した役でミステリーにご出演いただきたいなと思いますね。それでは、槇島さんにとって演劇とはなんでしょう?演劇に関わる理由とかありますか?


槇島:私は端的に言うと人だなって思う。私の知り合いがいたからたぶん入ったし、居心地がいいから続けてた。こつこつ努力するのが苦手で。プロダクション制(公演ごとにチームが組まれること)がすごく性に合ってた。それ(プロダクション制)もすごく魅力的だったけど、やっぱり関わってて楽しかったから。やっぱり人が1番かな。


ー今回のテーマの一つとして、いろんな人の思いを繋いでいくということがあると思いますが、黄河砂で活躍していくであろう後輩たちにメッセージをお願いします!


槇島:とにかく精一杯やって楽しむことかな。楽しくなきゃやれないっていうのもあるし、楽しいからこそ繋がっていくと思っていて。ただひとつ、ただ適当にやるだけじゃ楽しくないとも思う。個人的に、18卒業公演は大変だったけど、今考えてみると楽しかった気がする。限界まで頑張るべきとは思わないけど、突き詰めていく中に楽しさが出てくるんじゃないかな、って思います。


上:劇団黃河砂2019年度春公演『暁之夜』大道具のスケッチ

下:同公演の完成した大道具


ー何事もチャレンジして楽しんでほしいですね。それでは、この作品の見どころ、好きなシーンを教えてください!


槇島:なっちゃん先生とオーディの客席でやってるやりとり(シーン11)ですね。初めて見た時泣きました!よいです!あそこは好きです。昔の演劇部が全国優勝してカメラの前でわー!ってなってるシーン(シーン13。このシーンは撮影が終わらず映像はありません)も。


ー最後に見てくれる人たちに向けてメッセージをお願いします!


槇島:卒業公演を頑張ったので楽しく見てください。以前黄河砂に関わった方もそうでない方も、等しく楽しんでいただけるものになったと思うので、ぜひ最後まで見てください。そして文章も読まないとわからないところも多いので、最後まで読んでください!!

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