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八神美和子 植田小里加 インタビュー

  • 21lastplay
  • 2021年3月18日
  • 読了時間: 10分

聞き手:a.m.


ー名前、学年、役名を教えてください!


植田:植田小里加です。ID21の4年生で、役名が八神美和子です。演劇公演には河砂やICU歌劇団含め8回これまで関わっています。


ー植田さんの演劇のルーツを教えてください。


植田:ICU歌劇団の21デビュー公演で最初に関わりました。歌劇も黄河砂もどっちもやりたいなって思ってたんだけど、どっちかっていうとミュージカルに寄ってはいたかな。春学期に歌劇の21デビュー公演が終わって、「次何か出たいなー」って思ったときに「黄河砂のデビュー公演あるよ」って言われて。


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ICU歌劇団でキャストをしている様子


ー(笑)そんなぎりぎりなんですね。元々舞台系のサークルに興味を持ったきっかけはなんですか?


植田:そもそもは…演劇部入りたい願望が中学からあって。中学は演劇部がなくて、高校は留学に行くことが確定してたので、演劇部に入れなくて。留学先で少し演劇をやったりはした。行って3ヶ月目くらいでオーディションがあって、よくわからないけど採用していただいて(笑)。


ーそうなんですね、海外の舞台はどうでした?


植田:絶対に徹夜はしないタイプの演劇サークル。先生は一応1人いるけど、演出・音響照明・舞台装置は生徒がやってるから、割と黄河砂に近い形だったかな。


ー演劇部に入りたいって思ったルーツはなんですか?


植田:小学校の学習発表会でやった劇だと思う。ある年に『セロ弾きのゴーシュ』でゴーシュ役に受かってしまった。主役を何人かで割るんだけど、結構おいしい場面で。怒られまくったけど最終的にすごい楽しかった。その後にまた『夢から醒めた夢』の悪魔役を小学校でやり。学年全員の前に出されて「うまかったから(演技を)やって」って言われて、やったのが嬉しかったんだろうね…(笑)。


ー学習発表会の経験がよかったからまた部活としてもやってみたいというのがあって、ついに大学で入ったんですね。


植田:花見(新歓での各サークルの屋外ブース)の時には、大学入ったら演劇系のサークル入ろう!って決めてた。


ーやりたいです!っていう新入生すごい嬉しいですよね。


植田:誰も来なかったらどうしようってなっちゃうもんね。


ー歌もずっと好きだったんですか?


植田:得意とかではなかったけど、歌うのは好きで。踊りは体育の授業でダンスがあって、体を動かすのは好きだった。どっちも好きだった。演技できる、歌える、体動かせる、最高じゃん!っていうノリ(笑)。


ー八神美和子さんはどういう役だと思いますか?自分との共通点や違うところ、演じやすい・演じにくいところを教えてください。


植田:演じやすい・演じにくいで言ったらこのジャンルめちゃくちゃ引き出しあると思う。こういうタイプの役振られること多いんだよね。


ー生徒会系みたいな?


植田:生徒会とか、主人公のカウンターのポジションになる人、”ちゃんとした”人とか。主人公の視線でお客さんが劇を見るとなったときに、強そう完璧そうっていう意味の崩しにくそうな役をもらうことがこの4年間多くて。保護者?みたいな(笑)。


ー保護者ポジションを演じるのはどうですか?


植田:だんだん台本見ただけで「私この役来るな」って察しがつくようになってくる…(笑)。保護者ポジションばっか見ちゃうようになっちゃったんだよね。主役になって舞台を引っ掻き回したいっていう気持ち、憧れ・願望っていうのはすっごいある。けど、そうやって見えてるならそういうことだよねっていう感覚(笑)。


ー憧れはあるけど、保護者ポジションも自分の役としていいなと思ってる感じですね。美和子さんをどんな風に演じたいですか?


植田:読み合わせを2、3回やった程度なんですが、保護者ポジションの経験を生かしつつも、ちゃんと高校生にはしたい。今の美和子は去年『白路座夢行脚』(ICU歌劇団20卒業公演)でやった30代くらいのお母さんがベースにあるんだけど、さすがに現代の高校生にその年齢はあんまりいないから、演じる上で年齢の塩梅が難しい。


ー高校生らしい若さ、不安定さっていうのがほしいって感じですかね。


植田:ほしいね。実を言うと、美和子は演出曰くコミカルなポジションでもあるらしく。瑠璃子と透也がシリアスな話をしてるときに「お掃除の時間ですわ!」とか言っておせっかいしてくるらしいから。


ー笑いの責任もあるんですね。笑いの担当をするのは初めてですか?


植田:わかりやすく笑わせるのは初かもしれない。喋り方で笑わせるとかは(これまでの役で)あったけど、ちゃんと笑わせるって言うのは初かも。


ー緊張しますか?


植田:緊張する。コントとかお笑い芸人、ジャニーズとか「ウケるか心配だった」とかよく聞くけど、よく分かるなって。


ー映像作品ということですが、まだ撮影入っていないとのことですが(インタビュー時)難しそうですか?


植田:難しそうだなって思う。舞台だとオーバーリアクションってあるじゃない。それでいっていいのか、映像向けに多少押さえてやった方がいいのか、映像を意識した演技をするのかっていうところが気になってます。


ー楽しみなところはありますか?


植田:久々に演劇できるっていうのと、映像で残るっていうのがわくわくするよね。今までも公演の映像は撮っていたけど、定点カメラだから。


ー稽古もZoomしかまだやってないとのことですがZoom稽古はどうですか?


植田:意識が変わるよね。Zoomだから声届くかなっていうのも気にするし、読んでてだんだん前のめりになってくるんだよね。やっぱり普通に対面で稽古するのとは違うよね。


ーこの作品の見どころ、好きなシーンを教えてください!


植田:あんまり他の人の稽古を見れてないんだけど…。個人的に自分のシーンだと、最後の方で多分お客さんそこまで好きになれないだろうなっていう、勝手に掃除しに入ってくる美和子がちょっとかっこいいので。


ー掃除(笑)。


植田:シリアスなのをぶっ壊して、掃除しに入っていく美和子がカッコイイシーンがあるので。


ーそこが美和子の見どころってことですか?


植田:そうだね。美和子のおいしいところではあるよね。そんなこと言うんだこの人!って思った。コミカルな役回りも、シリアスな役回りもわかるんだけど「おおそこに行くか!」って。セリフをもらった側としては嬉しい。まだ噛み砕けてない部分もあるけど、とりあえずかっこよく言いたい。


ーこの作品は演劇がテーマですが、今後もし作品をやるとしたら、やってみたい役柄・役職を教えてほしいです。


植田:キャストだとしたら、さっきも言ったけど場を引っ掻き回す役をやりたい。


ー主役を問わず、物語を引っ張っていくようなムードメーカーのようなキャラですか?


植田:1番いいのは主役できることだけど(笑)。外堀から攻めるタイプのキャラが多かったなっていう気がしてて。


ー理知的な感じですね。もう少し動物的な感じの役がやりたい?


植田:やってみたい!なかなか想像つかないよね。運動神経よくしとこ(笑)。

ースタッフ職とかどうですか?キャスト一筋ですか?


植田:スタッフだったら…演出広報やってみたいっていう思いがあって、4年間の中で両方やることができて。スペックが何でもあるとして言うと…衣装やりたい。(実際は)ミシン使えないので…。


ー何で衣装やりたいんですか?


植田:ジャニーズが大好きなので。ジャニーズの衣装かっこいいじゃん。今話してて思い出したけど、何より照明やりたい。


ー本当に!?照れるな…照明出てくると思わなかった…(インタビュアーは照明さん)それもジャニーズのステージからですか?


植田:実は照明やりたい。めちゃくちゃきれいで。テレビ番組も光の演出が好きで。周りに照明委員が多かったからかもしれないけど、すごいライティング見るようになっちゃって。実はずっと「照明きれいだな」って思いながら小屋入りしたりテレビ番組見たりしてました。


ー照明見てほしい。やってみたいジャンルの劇はありますか?


植田:シリアスとか一人芝居とか、やったことないからやってみたいなーっていうのはある。「これやります」って言われて、「やるー!」って言ってやってきたから、苦手とか考える前にやっちゃってたかな(笑)。


ーやりますって言われてやる!っていうのは、舞台が好きだからっていうのがあるんですか?


植田:うん。サークルに関わりたいっていうのもあるし、サークルの人が好きっていうのもある。何より、周りとの自分の実力の差に気づいてはいて、それを埋めるための経験値が欲しかった。


ー色々関わってる人って頼りになりますよね。もっと成長したいから色んなプロダクションに入ってきたんですか?


植田:「次こういうのやろうと思ってて」っていう話があった時に演目自体も面白そうだけどやっぱり成長したいって。


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黃河砂21デビュー公演にて


ー4年間サークルやってきてどうでした?演劇は自分にとってどんな存在ですか?


植田:4年経つのって早い。演劇で物の見方変わったかなって思う。劇の見方、音楽番組の見方もそうだし、パフォーミングアーツに対する見方が変わったっていう自覚があって。ライブ見てても演者が出てきて、何か言ってライティングが変わったら「あ、これキューゼリフ(音響照明などが変わるきっかけになるセリフ・動きのこと)だったんだな」とか舞台機構の仕組みを解明しようとするとか…。衣装もだけど、見えてない音響・照明さんを想像して見るようになった。ドラマ見てても表情の作り方とか見るようになった。


ー作品自体を色んな角度から見れるようになったのが演劇を始めたからですね。


植田:演劇を作る側の視点を手に入れたね。


ーズバリ、演劇とはあなたにとって何ですか?


植田:難しいー!演劇とは……青春だなと思う。


ー同じこと考えてました!青春っていうその心は何ですか?


植田:その心は、ここ数日思い返したらそうだなって。青春っていうきらきら感がすごくって。最近Youtubeである曲を見つけて、「あー私の4年間」って。青春だなって。それ聞いた時に、サークルの4年間の風景が走馬灯のように…(笑)。こう考えてる時点でもう青春の終わりにいるんだな私って思ったよね。その中じゃなくてちょっと外側にいるんだよなって。4年間何してたって言ったら8割9割サークルになるから。


ー青春って言えるのっていいですよね。振り返るとあの何気ない日々が青春ってわかりますが…。


植田:この劇も本当に青春!っていう劇じゃん。キャラクターたちも振り返った時に「あれが青春だった」って言うんだよ。


ーそうですね。何かを一生懸命やるってことがきらきらしてるってことですね。走馬灯見たってことですが、今までの黄河砂で印象に残っていることは何ですか?


植田:黄河砂21デビュー公演のイダさん(植田が演じた役名)なんだけど…イダさんの初登場、猟銃持って出てくるのよ。そのシーンの初回稽古のときに本気を出しすぎて。茶目っ気のある役で、イダさんとしては冗談で猟銃持ってるだけなんだけど、本気でドア開けて狩人の目をして入ってっちゃって。


ー怖すぎですね…。


植田:最終的に満面の笑みで怖いセリフを言ってるっていう人になっちゃって。その結果サイコパスイダさんになる。


ー(笑いが止まらないインタビュアー)おもしろい…それが稽古中にウケたんですね。


植田:しばらくサイコパスのキャラだったね。あとは…黄河砂のイメージは多目(多目的ホール。新D館にあるホール)。オーディ(オーディトリアムホール。旧D館にあるホール)とはまた作り方が違う。舞台の1番下の板から搬入していったり…その舞台作りが黄河砂の思い出だよね。客席も自分たちで組んだもんね。


ー今回の作品のテーマのひとつとして、繋いでいく・繋がっていくというのがあると思いますが、これから黄河砂で活躍していく後輩たちにメッセージをお願いします!


植田:サークル入ってずっと聞いてたセリフだけど…半分冗談で半分真面目に言います!ちゃんとご飯を食べて、ちゃんと寝てください。


ー聞き覚えがありますね。


植田:体が資本だし、寝るの大事。気持ちの面でもそうだし、体力的にも。食事も削っちゃダメ!


ー先輩から受け取ってきたメッセージを自分も渡すということですね。


植田:繋いだね(笑)。


ー最後に、意気込み・お客さんに向けたメッセージをお願いします


植田:まず最後の最後、卒公ができないかもっていうところからできるようになったことが率直に嬉しい。さっきの話に戻るけど、後輩に何か繋げられる今までと形の違うひとつの演劇なのかなって。色んな意味合いもこめて、見てもらいたいな。先輩の人には、あのひよっこがここまでになりましたよって見てもらいたい(笑)。特にメインの人たちは熱量を感じるので…見てると懐かしくなる人も多いだろうし、演劇やりたいって思う人もいるかもしれないし…そんな淡い期待も込めつつ(笑)どうぞご覧ください。ぜひ見て!!


ーありがとうございました!

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