top of page

東條晴美役 じーん インタビュー

  • 21lastplay
  • 2021年3月22日
  • 読了時間: 16分

聞き手:夏樹役 春楓


ーではまず、名前、学年、役名と、他に役職に就いていればそれも教えてください。


じーん:4年生で東條晴美役をやっています、じーんと言います。他にも今回は宣伝美術とブログに掲載している文章も一部執筆しています。


ーじーんさんが演劇を始めたきっかけはなんですか?


じーん:演劇を面白いと直接思った経験は中学生の時です。それまでは物語、本とかマンガとかそういうのが好きで、色々な媒体を使って触れていました。その中の一つとして演劇があって。中学生の時に学校の行事でやる劇の演出というか根幹に関わるきっかけをもらって、その時に「舞台を創るって面白いな!」って思いました。この段階では自分が舞台に出るっていうのはそんなになくて、端役でちょこっと出たことはあるけどそれくらいでした。そのあと、高校に進んで高校で演劇部に入ってそこから、本格的にって言ったらあれだけど、ガシガシやるみたいな(笑)感じですね。


ーでは、高校から始めて、そのまま大学でも続けたっていう感じなんですね。


じーん:そうなりますね~。


ーでは、今回の役についてお聞きします。東條晴美はどんな人か教えてください。


じーん:一言で言うなら演劇バカですかね。何を差し置いても演劇が好きでずーっとそればっかり考えている人ですね。あとは、個人的には底が知れなくて、ある意味でミステリアスな人だなって思います。


ーじーんさんと晴美との共通点、あるいは違った点はありますか?また、演じやすさという点ではどうでしょう?


じーん:演じやすい、演じにくいで言ったら演じやすいかな。なんでかって言われると……なんでだろうなあ(笑)。とても理想的な人っていうのが一つあって、誰からも好かれる明るさを持っていて、人を不快にさせない態度を取っている人っていうのが、台詞とかト書き(状況を説明する脚本の地の文)に現れてるんですよね。で、そのかっこよさが、私の中のかっこよさと結構一致しているので演じやすいんだと思います。共通点もいくらかあるから演じやすいんだろうな……でも自分で考えるとあんまりないんですよね……。むしろ他の人に聞きたいです(笑)。あ、でもこないだ他の人に私の私生活がイメージできないって言われて、それは私が台本を読んで晴美に対して抱いた印象と同じだったのでなるほどなぁと思いました。


ー演出から聞いたんですが、一回役が決まる前の読み合わせでじーんさん以外考えられなくなったくらいハマり役だったということの他に、さっき演劇のルーツでもお話し頂いたように、じーんさんも晴美もずっと物語の世界に魅了されてきた人だと思います。じーんさんも自分でお話を書いたりすることがあると思うんですけど、そういった点はいかがでしょうか。


じーん:そうですね。高校の演劇部の時にも自分で台本を書いてみんなを巻き込んでめちゃめちゃ好き勝手やってたしな……(笑)。そういう意味では共通するところがありますね。


ー晴美の言動に共感はできますか?


じーん:そうですね……まぁ共感というか、こうでありたいと思わせる台詞とか行動はありますね。日下部先生に「あの子が怒ってるところ想像できない」と言われるんですけど、ある意味、とても強くてとても頑固なんだろうなと思っていて。その頑固さは分かるなと思いました。晴美のバックグラウンドを見ると、とても苦労しているし、自分でしっかりしないといけないっていう意識がとても強い人だと思うんですけど、そういう一人で何もかもやらなきゃっていう意識は結構分かるなって思います。


かっこいい晴美でありたいなぁ!あの、役をもらったときに、これ噂のお兄ちゃんじゃん、ふーんこんな感じなんだぁって読んでたんですけど、こんなかっこいいのかお前!ってなりました(笑)。え、まじ?って。


ーじーんさんにも弟さんがいますよね。そこら辺の共通点はいかがですか


じーん:多分晴美と私とで弟との向き合い方が結構違うとは思ってて、あんなに慈愛に満ちた接し方はしてないなって(笑)。ただ、私の弟も大学生で、好きなことで大学を選んで進んでいる人でそういうところをすごく尊敬しているし、君は君のままで成長していってくれって思ってます。弟が夢を叶えるっていうところは楽しみにしているのでそういうところは晴美と共通しているのかなって思います。


ー育美役の有紗さんと兄弟役を演じてみていかがですか。


じーん:挙動がまずかわいいですよね。中のキャストの人が動きが機敏で、七星(演:るり)から逃げるシーンが結構あるんですけど、七星がたまに追いつけなくなっているのが2人含めてかわいいなって思います。有紗ちゃん自身のかわいいところというかすごいなって思うところは、「入ります、はい」で演技に入るときに一瞬で役に入り込んでしまうところが本当にすごいなって思います。


ー部室で2人に「ここのシーン演じて!」と無茶ぶりしたりもしましたが、噂では2人だけで観客のいないエチュードをしたとか。見たかったという声を沢山聞くんですけど、いかがですか。


じーん:そこはまあお兄ちゃん特権ということで(笑)。私が勝手に仕掛けただけですけど(笑)。


ー今回のキャストの中で初共演の人はいますか?


じーん:有紗(育美役)、十文字(透也役)、長谷川(勝吾役)とは初共演ですね。他にも初共演の人はいますが、今回作中で接点がないので共演と言っていいのか(笑)。春楓(夏樹役、聞き手)とは高校からの付き合いですが、実は高校時代含めて今まで一緒に出演しているシーンが全然なかったのでほぼ初共演に近いかもしれません。


ー今回関わりの深い役のキャストはほとんど初共演の人ばかりということでそこらへんも楽しみですね!


ree

舞台美術の制作をするじーんさん


ーこの作品は本来舞台で上演する予定でしたが、この状況では厳しいこともあり、文字と映像でお届けする形になりました。初の試みだったこともあり、大変だったと思いますが、実際にやってみていかがでしたか?


じーん:第一印象としてはやっぱり難しいっていうのがありましたね。舞台だったら自分がどう見られているのかっていうのが今までの経験則で何となく分かるんですけど、映像だとそうもいかなくて。お客さんはここに座っていて、多分こういう表情をしたらこういう風に見えるし、このくらいこう動いたらかっこよく見えるんだろうなっていうのが今回はなかったので苦労しました。自分が撮られている時のイメージでやっても、確認で撮った映像を見てみるとイメージと全然違ったりそういうことが多かったです。正解がないのは舞台も映像も同じなんだけど、今の本当に晴美っぽかったかな、とかちゃんとかっこよかったかなっていうのはやっている時も終わってからも考えちゃいます。普段だったら、稽古を重ねて試行錯誤して、全部ある程度確立してから本番の舞台に臨むって感じだけど、今回は撮影前にあんまり稽古できなかったっていうのもあって……あの、撮り直しはいつでも応じます!って感じです(笑)。


ーそうですよね(笑)。でも、撮影現場にいる人みんな晴美かっこいいって言ってるみたいなんで大丈夫だと思いますよ(笑)。


じーん:まあ、満足いただけてるならそれならそれで……(笑)。


ーこの作品の見どころ、好きなシーンなどはありますか?撮影になった関係で、普段とは違って自分の出ていないシーンについては良く分からないかもしれませんが、知っている範囲で教えて下さい。


じーん:見てほしいのは全部見てほしいのよ。過去と交差する話っていうのが個人的には大好きなんです。色々な意味で成長の物語じゃないですか、育美もそうだし、七星も透也もそうだし。ぜひ全部見てほしいなとは思いますね。シーンで言うと、私が好きなのは日下部先生が夢乃といるときに「私、演劇部の顧問だったのよ」って言うところです。個人的に大人のキャラクターというか、時間を積み重ねてきた人が好きなので、過去があって、色々思うところがあって出てきた台詞っていうのが好きですね。まぁ、撮影現場は見てないんですけど(笑)。あとは、地の文も全部読んでほしいですね。舞台でやりたくて、でもできなくて、残念ながら映像にも含まれなかったところが全部地の文になっているのでそこもぜひ読んでほしいですね。地の文だったら、本当に一番最後の透也と晴美の絡みが好きです!


ーあなたにとって演劇とはなんですか?


じーん:最初は演出として指揮を執って台本に書かれている情報が目の前で立体になっていく過程を見るのが楽しくて、でそれが自分の書いたものだとなおさら予想の付かない部分とか理想通りの部分とか、理想とは違うけれどこれもいいなっていう部分とか色々組み上がっていくのが楽しいなとおもうようになって。ただ、大学に入ってから自分で脚本を書くことはなくなって、まあ時間もなくて(笑)、キャストとスタッフとに傾いていく感じだったんですけど。演劇を通して私は色んな人に出会えましたね。演劇やってなかったら多分サークルに入ってなかったし、高校も部活に入ってなかったので、今高校からずっと仲良くしてくれている人たちとはもちろん会えてなかったし、大学でこうやってみんなと何かを作る楽しさは多分知らなかったと思うので演劇は色々なものと出会わせてくれたものですね。ここでできた縁とか関係はずっと持てていけたらいいなあと思います。


ーありがとうございます。ここからは、宣伝美術としてのじーんさんに話を伺いたいと思います。ざっくりとどんなことをする役職でしょうか?


じーん:宣伝美術の基本的なお仕事としては宣伝に使うもののイメージを作ることです。ポスターやチラシのデザイン、チケット、SNSのアカウントなどで使うアイコンやヘッダーなど公演の「顔」になるものを作る仕事です。それに加えてプロメングッズ(プロダクションのメンバーの証となるおそろいのグッズ)を作ったり、とてもレアですが、グッズの販売をすることもあります。公演のイメージを彩るものを作っていくお仕事です。

仕事の流れとしては、まず宣伝美術に決まったら制作さん(お金や渉外、広報に関する部署の統括)とミーティングをしてそれぞれのイメージをいつまでに欲しいかを決めてそれに間に合うように前もってラフを出したりします。ラフを出したらそれに対してフィードバックをもらい、微調整して最終稿を提出します。大事なのは〆切りを守ることですね。


ー実際にキャストとスタッフ兼任してみていかがですか?


じーん:今回は撮影のスケジュールも宣伝美術の方のスケジュールも結構時間がキツめなので大変なことには大変です(笑)。でも、私は最初に宣伝美術の方で打診されていたので、まさかこんなに重要な役をもらえるとは……って感じです。ポスター絵を描ける人が他にもいた中で自分に任せていただけたのはとてもありがたいです。


ーラフ(大まかに描いたデザイン案)をちらっと見たんですけど今回の作品に合っていてとてもぐっときました。(インタビュー時期:12月)あれすごく好きです!!早く完成形が見たくてうずうずしてます(笑)。


じーん:いや~頑張ります(笑)。〆切りがもうすぐなので頑張って描き上げます……!


ーじーんさんは宣伝美術の他にスタッフの経験はありますか?


じーん:宣伝美術の他は舞台美術(大道具や舞台の装飾を担当する部署)ならやったことがあります。あとはちょこちょこ色々な部署のお手伝いしたりとかですかね?役職に就いているのは宣伝美術と舞台美術だけですね。


ーじーんさんは、ポスターなどのイメージを作る際にどのように着想を得ているのでしょうか。


じーん:私の場合は、演出さんにまず大体のイメージを聞いて、モチーフや色などを決めていきます。第一に優先しているのは演出さんの要望です。そこに齟齬が生じると公演の「顔」ではなくなってしまうので。あとは脚本を読んでキーワードになっているものがあればそれを入れることもありますね。そのイメージを元に1案か2案作って1回見てもらいます。そこで出た追加の要望を元に練り直します。まあでも大体「いいよ!」って言われて終わりますね(笑)。


ーじーんさんにとって宣伝美術のやりがいとはなんですか?


じーん:絵が描けるって誰にでもできて誰にでもできるものではないと思うんですけど。ツールが使えるかどうかだったり、センスって言葉はあんまり好きじゃないんですけど、センスの問題だったり。そういうのを発揮できる場所っていうことで、私個人としては演劇の一番いい部分を皆に知らしめるための仲介役だと思っています。

見える場所に自分の描いたものが貼られて、「それから興味を持ちました」って言ってくれたりする人がいるわけで。仲間うちでも「今回のポスターいいね」って言ってもらえたりする部分がやりがいですね。過去に一回イメージ作りに苦労したことがあって、演出からの要望もあまりなかったこともあって、自分がプロダクションのためにどれだけできるかっていうのを試せる機会になりました。その時のポスターが結構好評で、苦労はしたんですけどやって良かったなって思いました。


ー私たち演劇を作っている側からしても、過去の公演を思い返す時にはポスターなどのイメージはつきものですしね。


じーん:それだけイメージとの結びつきが強いってことですよね。チケットとかも結構取っておく人が多いじゃないですか。思い返したときに「この公演面白かったな」っていう思い出と一緒に残すのだったら、どうせだったら可愛かったりかっこよかったりした方がいいなとは思いますね。


ー今回のポスターなどのイメージでこだわったところや注目して欲しいところなどはありますか?


じーん:これは完全に自分の個人的な思いなんですが。この話って題名が『春に駆ける』で話としても春の話じゃないですか。でも公開する時期は冬なんですよ。ただ2月ってちょうど「春がそろそろ来るな」って意識し始める時期でもあると思うんです。だから公開された時から春に向かって駆けていくっていうイメージを私は持っていて。2021年の春に向かって駆けていく話なのかなって私は思っているのでそういう意識を持たせられるようなものにしたいなと思いながら作っています。コロナでたくさん悔しい思いをした人は中学生でも高校生でも大学生でもあると思うんです。最終学年で出たい大会があったのに、とか、出たい公演があったのにとか。私たちもその一人なんですけど、それでも諦めないでやるっていう決断をしたので私もそれには報いたいって思ってるし、そういうメッセージを勝手に受け取ってました。私もこの作品で学生生活が終わるのでそれを意識して駆けていくつもりで作っています。


ー本当にそうですね。では、せっかく卒業というワードも出たので、今までの黃河砂での思い出で特に印象に残っているものを教えてください。


じーん:思い出に残っているものは色々あるんですけど、今ぱっと思いついたのは1年生の時に浪人して入学してすぐの花見(新入生向けに各団体が勧誘の場を設けているイベント)の時に黃河砂のブースにちょっと立ち寄った時のことですかね。21デビュー公演の演出さんと会って、少し話したんですけど、自分で思い返しても当時気分が落ち込んでいて疲れていたんです。やっと長い受験が終わって、演劇もやりたいなとは思ってたんですけどそんなに深く関わるつもりもなくてちょっと様子見でって感じだったんですけど、やってみたらめちゃくちゃ楽しくて。自分では思いも寄らない役を配役されて驚きながら演じてたんですけど、それがなんだかんだで褒められて、自分でも知らなかった自分を発見できたっていうのと居心地がとてもいいなって思いました。とても楽しい公演だったんですけど、全部終わって打ち上げの時に演出さんと色々話をしていて、「最初見たときめちゃくちゃ暗かったんだもん!」って言われて「そうですよね、すみません(笑)」ってなって。「でもその笑顔が見られて良かった」って言われてすごくいい場所だなって思いましたね。


ー私は高校時代はじーんさんの後輩、今は同期という立場でかれこれ6年の付き合いになりますが、高校時代、後輩から見たじーんさんはそれこそ晴美のようなかっこいい先輩!というイメージでした。なので、デビュー公演で5才の元気な男の子の役を演じることになったときにはとっても驚きましたね。真逆のイメージというか、私たちだけだったら絶対にしない配役だったと思うので。新しい環境に行ったからこそというか。


じーん:そうですね(笑)。後で聞いた話によると花見の席で色々話したときにそこにいた演出2人(この公演は2人いる公演でした)が「さっきの子、あの役だよね」と即決で決まったそうです(笑)。


ーえ!そうなんですか!?


じーん:え、私「めちゃくちゃ暗かった」って言われてましたよねって(笑)。それなのに即決だったらしくて。何が起こるか分からないなと思いました。


ー本当にそうですね。では、今回のテーマの一つに「繋ぐ」(過去から今へ演劇部を「繋ぐ」、また芝居を「繋いで」公演を成功させる)というというのがありますが、今いる後輩やまだ見ぬ後輩へ何かメッセージをお願いします。


じーん:私が大学に入って演劇やって常々思うのは、例えば、美術が好きだから美大に行くとか、音楽が好きだから音大に行くとか、演劇が好きだったら演劇学科のある場所に行くとかっていう人たちももちろんいるけれど、そうじゃなくても演劇が好きな人たちはいるわけで。で、サークルっていうのはそういう人たちの集まりだと思うんですけど、たかがサークルって思う必要は全然ないと思うし、このコロナ禍で状況が一変してできなくて悔しいって思う人たちももちろんいっぱいいるだろうし、私自身も悔しいし。商業は一回復活したりとか感染対策とかも自分たちで色々やりながらなんとか公演を打つこともできるというのはあるけれど、私たちはそれができない、やることが難しいという状況でとても悔しいと思うけれど、諦めて欲しくないなというのがあって。せっかくどこの大学に行こうとも、演劇が好きでサークルに入ってやってみたいって思ってくれるんだったらそこで諦めて欲しくはないなって思ってます。状況がこれだけ一変したこのご時世だからこそ。


ー今回は「演劇」が題材の話になっていますが、もしまた演劇をやることになったら、どんな役をやってみたい、あるいはどんなジャンルの演劇に参加したいですか?


じーん:どんな役かあ……今は自分の年齢が若いのも相まって結構中性的というか、それこそ男子高校生役とか若い男の人の役が結構楽しいのでまたやりたいなって思うんですけど、例えばもうちょっと年齢が上がってそういう役が難しくなったら……うーんでもかっこいい人をやりたいですね。あんまり役にこだわりを持ったことがないのであれなんですけど、誰かに良かった面白かったって言ってもらえるような印象に残るような役をやりたいですね。それが端役だったとしても。

どんなジャンル……ミステリーとかやってみたいですね。あとは1920年代アメリカとかのミュージカルっぽい世界観とか昔の西洋の話とかはやってみたいですね。


ー他にアピールしたいことはありますか?


じーん:文章を書くのは急遽決まって、今回ちょっと執筆しなければいけない量が多くなってしまったので演出のお手伝いをしています。構成をどうするかとかどう役割分担するかが決まったところです。私がどの部分を担当するかは言わないでおきます。そっちも頑張りたいですね!


ーそれは楽しみですね!どちらが書いたものなのか想像しながら読むのもいいですね。

では最後に意気込みとメッセージをお願いします!


じーん:このご時世ですごく制限が多くてできないことや諦めたことが沢山あるんですけど、それでもできることをなんとかやって作っています。いつもの黃河砂とは違うことがいっぱいありますが、是非最後まで楽しんでいただけたら幸いです。


ーありがとうございました!

最新記事

すべて表示
劇中劇『連れ立って流れる星の先に』

嵐ヶ丘学院演劇部バージョン 律    育美役  遠藤有紗 蓮    七星役  るり 車掌   桃華役  しゅん 青年   朔太郎役 有賀大輔 蠍    夢乃役  槇島 旧演劇部×生徒会バージョン① 律    晴美役  じーん 蓮    透也役  十文字晴...

 
 
 
シーン33

「驚いたな。まさかあんたが自ら、取り壊しの撤回を宣言するなんて。」 茶化すように笑う声に振り向くと、そこにはかつての後輩が立っていた。妙にさまになっている制服姿に、思わず溜め息が出る。いつまでその縒れたブレザーを着続けるつもりなのだろう。今年こそ卒業させなければ、伝説どころ...

 
 
 

コメント


© 2020 ICU劇団黄河砂21卒公

bottom of page