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百瀬朔太郎役 有賀大輔 インタビュー

  • 21lastplay
  • 2021年3月1日
  • 読了時間: 7分

聞き手:夏樹役 春楓


ーではまず、名前、学年、役名を教えてください。


有賀:有賀大輔です。ID21で、役名は百瀬朔太郎です。


ー有賀さんが演劇を始めたきっかけはなんですか?


有賀:元々大学入るまでは演劇に関わるつもりは全くなかったんですが。クラオリ(新歓時クラブオリエンテーション)の時に帰ろうかなと思ってホールを出た時に黄河砂の人に声をかけられて、演劇に少し興味があるって返事をしたら、そのままご飯に連行されて(笑)。そこで先輩たちと話してて「この人たちおもしろいな」と思ったのがきっかけです。その後、演者裏方両方で関わっていく中で舞台自体が楽しいな、力を合わせてひとつの作品をお客様に届けるのが素敵だな、と思うようになり、気づいたら4年間演劇に関わってました。


ーご飯を食べにいけてよかったですね。


有賀:間違いない。どういうサークルに入ろうかぼんやりとしか考えてなくて。他のサークルも見に行ったけどピンとは来なくて。ご飯会に連れて行かれたのが一番大きいかもしれない(笑)。それで新しいことに挑戦することができたので。人生のターニングポイントだったかもしれないですね。


ーそれはよかったです。それでは、有賀さんの黄河砂での思い出はなんですか?最初に出たのはデビュー公演でしたよね。


有賀:早い段階から先輩たちとの繋がりがあったのもあり、デビューでは主役をいただいて。当時は頑張ったつもりだったんですけど、後から見るともう1回やらせてもらえませんかみたいな(笑)。ちょっとぎこちなくて。最初は割と苦々しいデビューだったかな(笑)。そのあと色んな公演に参加しましたが、特に印象に残っているのは黄河砂の18卒業公演。そこには音響補佐として関わっていて。デビューのときは役者だったけれど、正直自分の居場所がつかめていないというか、ポジションがわからない状態だった。でもそこで先輩たちのクオリティの高い劇を音で彩るというか、舞台を作るという作業を直感的に体験することができて。それで舞台が好きだなっていうふうに思っていったので。それが大きな思い出かな。


ーそうなんですね。


有賀:きっとその公演が舞台そのものを好きになった公演だと思う。結局その後役者を演じることは多かったんですけど、舞台っていうのがどういうものか、自分の中で舞台のどういうところが素敵かを見出すことができたのはいい経験だったなって思ってます。単純にお話の内容が好みだったのもあるけど(笑)。


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主役を務めたデビュー公演での1枚


ー次に、あなたが演じている役について教えてください。どういう役でしょうか?


有賀:ちょろい(笑)。末っ子気質なんだけど調子に乗りがちな高校生です。すぐ調子に乗せられるし、すぐ騙されるし、すぐ凹みそう。喜怒哀楽がはっきり出る素直な子です。いじられキャラですね。


ー朔太郎と有賀さんの共通点、あるいは違う点はありますか?


有賀:共通点は…いじられキャラなところは似てるけど…それ以外はあんまり自分では似てるな、っていうところはなくて。けど周りに言わせるとハマり役らしい。


ーかわいいですよ。有賀さんの朔太郎。


有賀:そうなの(笑)?最近若めの役をやることが多かったっていうのもあると思うんだけど。基本的なパーソナリティとしては、誰とでもじゃれあえるっていうのは似てるかも。逆に違うところは、朔太郎は結構几帳面で。喋っている感じは適当そうだけど勉強ちゃんとしていたり、身だしなみには気を遣っている。裏設定でお姉ちゃんが2人いるんだけど、末っ子で教育を施されているなって(笑)。その几帳面なところが違うところですね。


ーなるほど。朔太郎は演じやすいですか?演じにくいですか?


有賀:最初は振る舞い、テンションが最近の自分とは違う感じだった。微妙に似てて微妙に違っていて。普段の自分とどう演じ分けるかっていうのがあったんですけど、周りからそのままでいいよって言われて。だから段々演じやすくなりましたね。最初はつかめなかったけど、だんだんこんな感じでもいいのかなって直感的に理解できるようになりました。


ー今回はもともと舞台で演じるはずの作品が、映像と文字で提供されることになりましたね。撮影は初めてのことでしたが、やってみてどうでしたか?


有賀:撮る方が大変そうだなって思いました(笑)。撮影では同じセリフを複数の角度から撮るんだけど、役者としては言い方が毎回ちょっとずつ違ってしまうのが演技の上で難しかった。(撮影をしていて)さっきとは違うな、こっちの方がよかったなって気にしちゃうので。そういう意味では一発勝負の演劇とは違って、撮影期間を通しての一貫性が求められている感じが難しかったです。


ー舞台って受けた演技によって多少言い方を変えても、その世界線(その一公演内)では正しいっていうところがあるから変わってもあまり気にならないですもんね。映像って動きとセリフが別に使われる可能性とかも考えると齟齬が出ないか心配になりますよね。


有賀:とてもなる。逆にセリフの確認とかリテイクができるっていうのはあるけど(笑)。


ー有賀さんは今後もし演劇をやることがあったらどんな役をやりたいですか?また、どんなジャンルの劇に出てみたいですか?


有賀:はっちゃけた感じの日常感のないものをやってみたいなって。前回やった役は高校生だったし、その前も現代にいそうな人だったから。今この時代にいなさそうな、もしくは狂気に満ちた人とか。ミュージカルではよくあるような人物像をストレートプレイ(歌やダンスのない劇)でやってみたいなっていう風に思います。あとは悪役とか。いい人柄の役になることが多かったので。


ーでは、あなたにとって演劇とはなんですか?演劇に関わり続ける理由は?


有賀:何でしょう…演劇が好きだなって気づいてから演劇について考えるのは日常の一部にはなっていたので。そういう意味で趣味なんですかね。でもICU歌劇団などの色んな団体、公演に関わるのは何でかと聞かれると、作中の彼らと一緒で、同じ仲間で何かを作っていくのが好きだったから大学生を通してやってきたのかなって思います。だからこの先演劇に関わるかはわからないんですけど。


ー今回は「繋いでいく」がテーマの1つとしてありますが、黃河砂やICUの後輩たち、また未来の後輩達へメッセージをお願いします。


有賀:とにかく楽しんでほしい。楽しんで、できることを全力でやってほしい。決して義務感から無理をしないで、自分たちのできる範囲で全力をぶつけてもらうのが1番かな。それでやってもらえたらいい学生生活の1ページになるんじゃないかなって思います。


ーそれでは、この作品の見どころや好きなシーンを教えてください。


有賀:色々あるんだけど…好きなシーンは、朔太郎と夢乃がいなくなって、育美と桃華が「2人がいなかったら意味ない」っていうところ。それで七星がそういう想いもあるんだ、って気づいて。後のシーンで七星自身も育美と一緒に演劇がやりたいんだってはっきり伝える、そこのシーンが2つセットで好きかな。個人的にすごく共感できるので。他にも色々好きなシーンはあるけど、そこが1番かな。あとは、ムービーではないけど、メイクさんとか衣装さんとかが顔がぼろぼろな状態でやってきた育美と七星に言葉をかけてるシーンがめっちゃ好き。


ーいいですよね。スタッフが出てくるのもいいし


有賀:泣けるしめっちゃいい。ここ好きです。公演に関わってる人全員で1つっていうのが尊いな、いいなって。とてもお気に入りなシーンです。


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22デビュー公演で舞台監督補佐として袖から仲間を見守った事もあった。


ー有賀さんは他のキャストとの共演経験って結構ありますよね。


有賀:結構あるね。有紗ちゃん(育美役)としゅんちゃん(桃華役)、あんじゅちゃん(瑠璃子役)は共演は初。後輩と稽古ができなかったのがとても心残り。他だと長谷川(勝吾役)やもんじ(透也役:十文字)とかはストレートプレイでの共演になると少ないかな。だからもうちょっと稽古をやりたかったな!でも最後に卒業していってしまう21と共演できる機会があったのはこんな状況下だけど嬉しかった。たからい(演出)の脚本も楽しみにしてるし。読み物にしてほしいくらい(笑)。


ーそれだけいい作品に仕上がってるということですね。それでは最後に、この作品を見てくれる人たちに意気込みとメッセージをお願いします!


有賀:こういう大変な時期で映像作品にはしようとしたものの、全てその様にすることはできず、若干見づらい作品になってしまっているかもしれません。が!とてもよい作品なので、ぜひ通してお話を楽しんでいただけたらと思います。長いんですけどぜひ!お願いします、見てください。


ー毎日ちょっとずつ読むのもよし。まとめて一気見するもよしですね。


有賀:そうですね。ぜひご自身のペースに合わせて楽しんで。この劇は演劇が好きな人、経験したことがある人にすごく刺さる作品だと思うので。演劇好きな方は自分でできてないとか観にも行けてない方がいると思うので、ここで演劇分を補給していただけたらな、と思います。


ーありがとうございました!

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